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ポビドンヨード(イソジン)うがいの長期使用リスク

保健室オンラインより

このところ話題になって、薬局からポビドンヨード(イソジン)うがい薬が品切れになることが続いているようですね。

医学的知見から申し上げますと、ポビドンヨード(イソジン)は強力な殺菌効果があり、人に害を及ぼすウィルスや菌を殺菌する高い効果があります。医療現場では、手術などにも広く用いられることが多く、体内に有害なウィルスや菌が侵入するのを防ぐ効果があります。

しかし一方で、強力な殺菌をかつてしてきた創傷消毒や口腔内洗浄に関しては、有害なウィルスや菌から体を守る常在菌までをも殺菌してしまい、返って抵抗力を下げてしまうことで、有害な菌やウィルスが容易に体内に侵入し、感染を悪化させる例も少なくありません。また、唾液の分泌も低下し、舌や口腔粘膜は乾燥し、ひび割れなどの損傷のリスクにもつながります。防御してくれる常在菌が不在になり、その損傷部位からウィルスや菌が侵入し、重症肺炎や脳炎などになるケースもあります。

そのため、ここ数十年の間に変化してきたのは、消毒しない創傷治癒や口腔内洗浄が医療現場でも常識に変わっていきました。

手洗いでも、流水でしっかり洗えば十分にウィルスや菌を取り除くことはできます。

口腔内洗浄も、水うがいをこまめに行うことで、ウィルスや菌が口腔粘膜に停滞するのを防ぎ、体内への侵入を防ぐことができます。

医療現場では、ご自分で歯磨きをすることができない重症患者様や体を動かすことができない障害のある患者様などには、一定時間内で口腔内洗浄、つまり歯磨きを行うことで、口腔内に侵入したウィルスや菌が気道に流れ込む肺炎などの予防につながっていることは、多くの研究データがあり実証されています。

また、水うがいや歯磨きなどで口腔内を清潔に保つことで、唾液の分泌を促進し、口腔内の自浄作用が働くことでインフルエンザの予防になることもあります。

日常的に、歯磨きを一定時間内で行うことや、水うがいを頻繁に行うことで、ウィルスや菌に感染することを予防することができます。

闇雲に、薬を使えば予防になるという考えで依存的になるのではなく、薬はなくとも当たり前のケアをすることで十分に予防できる可能性があることを知り、日々を健康に過ごせると良いですよね。

確かにポビドンヨード(イソジン)うがい薬には、高い殺菌効果があります。しかし、公で使用を推奨する場合には、専門分野で日頃からどのようなケアが行われているのか、その結果はどのようなものがあるのかや、そのケアの方法と比較した結果で、有意差があるかどうかを検証する必要がありますね。

皆様がポビドンヨード(イソジン)うがい薬に頼りすぎて、ご自分の大切な常在菌を全て殺菌してしまい、重症感染症になってしまっては本末転倒です。

長期的な使用は、甲状腺に作用するため甲状腺疾患になる場合もありますし、妊婦さんには胎盤通過性があり胎児に影響を及ぼす可能性もあるため、使用することはお勧めしていません。

いずれにしても、長期的な使用は避けた方が良いことはお分かり頂けたかと思います。

日頃からこまめな手洗いとうがいを心がけましょう。

 

人間の体は、適切な食事と運動、呼吸法と心で、健康に保つことができます。

いつでも皆様が健康で幸せであることを願っております。

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