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この体はお寺のような場所で心臓とは何かと尋ねるならばその原因とは

ヴェーダーンタ勉強会九十九里で、心臓とは何ですかという質問があったので、その原因を見ていきましょう。

この体は、純粋な意識である自分自身が綺麗に自分らしく現れやすくなるためのお寺のような場所であり、それを毎日綺麗に管理しているのが個人です。

肉体だけでは生きることはできず、そこにはプラーナ・生理機能が重なっているから生きていると言えるのです。

全体の中に個人として肉体を与えられて、最終的には綺麗な心に浄化され成熟した時に、人生のゴールであるモークシャを得て、生きながらにして幸せな自分自身に落ち着き、あらゆる質から自由になり、この宇宙全体が自分自身であると理解し、命が尽きた後は生まれ変わりのサイクルであるサムサーラ、移り変わる質の世界からも自由になります。

それを理解するために人間として肉体を与えられて、知性を綺麗にみがく生き方を選択し続け、人生のゴールを成し遂げることが生きている意味です。

それが完全に理解できるまで、生まれ変わりが続きます。

個人の肉体は、個人が知らないところで心臓は1分間に60〜90回鼓動し、考えなくとも呼吸は毎分20回前後繰り返されています。心臓から送り出された血液によって栄養素や酸素がそれぞれの細胞に送り込まれ、固有動物であるミトコンドリアが約2000あり、その中には遺伝子核が存在し、エネルギー産生と代謝を繰り返して、筋肉を動かし骨格が動き、肉体を動かすことができています。その代謝産物がまた血液によって運ばれ体の外に送り出されるために、呼吸や排泄がなされ、循環、代謝が保たれています。

私たち人間個人がなんとかしようとしても、食べ物や運動で綺麗に管理することはできても、その生理機能までをもコントロールすることはできません。

その生きることとは、たった一人の人、この宇宙の全てを統括している法則であるイーシュヴァラのもとに運ばれています。

同じように、この宇宙全体、地球だけを取って見ても、そもそも人間が作る以前に地球はすでにあり自転し、太陽と月が光と闇、昼と夜を作り出し、その対極により大地が耕され植物が実り、風が空気を浄化し、乾いた大地から水蒸気が雨雲となり雨が降り大地を潤し、また緑豊かになる循環を繰り返しています。様々な微生物が土を肥やし植物が成長し、その植物を食べて生命維持をしているのが動物であり、またその動物が肉体を手放す時には、その体が大地の微生物たちの栄養になる、その循環が常に織り成されています。

人間には未知の世界、科学では明かしきれない宇宙の全てが、たった一つの秩序で支えられていること、それが当たり前であるにも関わらず当たり前に見えなくなってしまっていることが、この自然である母なる地球を破壊し、生きとし生けるものを傷つけ、人をも傷つけ、嘘をついたり騙したりしながら争い、当たり前にある純粋な愛や優しさが見えなくなってしまいます。

道理に逆らった行動によって秩序を乱し、自分の都合ばかりで行動することによって全体が一つで回っていることすらも見えなくなり、肉体ですらも汚すことや傷つけることもできてしまうのが人間です。

そもそも人間が新たなものや文化を作る以前にこの大地も空も太陽も水も、あらゆる自然はすでにあり、それを維持するために人間がダルマという道徳や常識の感覚を持って秩序を守るために生まれています。しかし、様々な体験を通した記憶から歪みが生じて、ダルマに反した感情や考えが働き、行動になってしまい、秩序を乱し環境も破壊してしまいます。

あるがままのことを知れば、人間の本質である愛そのもの、優しさや思いやりとしての考えを持って行動することができます。

人間の肉体そのものが自分ではなく、それを動かすためには肉体に重なっている生理機能や感覚器官、行動器官、感情や思考が働いています。その背景には、すべての生き物の考えを司っているチャンドラマーなどのデーヴァターたちがいて、それをもたった一つに全てを統括しているイーシュヴァラという秩序があり、その一側面として現れています。

さらにその背景には、全てに存在を与えているあらゆる質の原因でありながら、自立して何にも頼らずに存在しているたった一つの意識があります。それが、自分自身であることをヴェーダーンタは教えてくれます。

生徒さんからの質問

Q.この肉体が自分ではないということは、心臓とはなんですか?

A.生理学的に見ると、心臓には刺激伝導系があり、電気的な興奮が心臓の筋肉の興奮と静止、収縮と拡張を繰り返しています。それが心拍動となり、全身に血液を送り込んでいます。

そこには、Na +、K +、Ca ++イオンが心筋細胞に働き脱分極を毎瞬繰り返し、隣の細胞へと伝わりながら興奮と静止の働きが止め処なくなされています。

 図1-4:トーアエイヨー アトラス

そう言ったことが目で見え分析できるのが、心電図です。

解剖学的に見ると、心臓は左右の心室と心房の4つに分かれ、左房には肺静脈があり、吸気によって取り込まれた新鮮な酸素が肺胞を介して肺静脈を通り左心房から心筋の収縮によって左心室に流れ込み、左心室からは大動脈につながり全身に血液を送り出す機能、右心室からは肺動脈につながり、全身から戻ってきた血液が大静脈によって右心房に入り、心筋の収縮によって右心室から肺動脈を通って肺に送り出し、呼気中に老廃物を吐き出す機能が、毎分60〜90回繰り返されています。

図1-2:トーアエイヨー アトラス

それらの構造と機能から、異なった名前が付けられていますが、血管は平滑筋からなり、心筋そのものは横紋筋からなっています。

横紋筋は何かというと、たくさんの細胞が集まった器官であり、細胞はミトコンドリアと筋繊維と筋小胞体と筋鞘からなります。

それらは何かというと、ミオシンとアクチンという収縮に関与するタンパク質などからなり、そのタンパク質はアミノ酸配列によりポリペプチドの水素結合による立体構造とペプチド結合の平面部分とが合わさり、複数のタンパク質が集まって一つの組織となっています。

さらに分子構造を見てみると、主に炭素Cと酸素Oと水素Hと窒素Nからできています。これらの原子は何からできているかというと、原子核の周りを電子が回っています。原子は1億分の1㎝、原子核は1兆分の1㎝の大きさしかありません。原子核には陽子と中性子があり、それらは素粒子という目には見えない大きさと速さで、すべての物質や現象の移り変わりを担っています。その素粒子は、現在科学で明かされているのは「物質を作る物質粒子」「力を伝えるゲージ粒子」「質量を与えるヒッグス粒子」 の3種類の特徴を持つグループであり、それらはこの宇宙全体のほんの4%程度にすぎず、後は暗黒物質、ダークマターと言われています。

それらが移り変わるためには、移り変わりの基盤が必要です。その素粒子は空間に頼って動き回ることができます。空間も時間という次元と共にあり、歪みなどの移り変わる質を持っています。

ここからがヴェーダーンタの教えていること。

空間ですら何かに頼って移り変わる質であり、ありとあらゆる質の源であるマーヤーに頼ってあります。マーヤーとは、空間、風、火、水、土5つのエレメントの源でもあり、サットヴァ、ラジャス、タマスという3つの質が移り変わりながら物事の全てが現れたり消えたりしているその源でもあり、望む力、行動する力、知る力でもあり、すべての知識と能力の現れる可能性です。

例えば、コンピューターの知識が現代では当たり前ですが、100年前にはまだほとんど現れていませんでしたが、すでにマーヤーにその知識が可能性としてありました。

しかし、それですら移り変わりの中にあるものであり、マーヤーでさえも自立して存在しているものではなく、さらなる基盤となっているのが、何にも影響されることのない移り変わりのない、始まりも終わりもない、何の特徴もない大きさ形もない捉えることのできない、自立してすでにある存在意識、幸せの意味であるブラフマンです。

そのブラフマンが、たった一人の人、あなた自身であるとヴェーダーンタは教えています。

ブラフマン単独では何も捉えることもできない主体であるため、対象化された客体としてこの移り変わりの世界があります。

イーシュヴァラとは、ブラフマンがマーヤーを使って繰り広げている全体宇宙のことであり、遍く全てのものに満ち満ちています。

それを完全に理解できる考えを綺麗に整理整頓する生き方がヨーガの生き方であり、それを生きながらにして全てのありとあらゆるものが自分自身であることを知りながら、その幸せな自分自身に落ち着き人生を全うすることです。

だから簡単には理解できないものであり、理解できる知性を養うことが大切なのですね。

そもそも、ダルマ、道徳や常識と言われるものは、人間が本来持っている感覚です。

しかし、たくさんの生きてきた記憶を通して、その感覚が曇ってしまい、歪んだ主観を重ねて傷つけ合ったり自然を破壊することができてしまうのが人間です。

どうか誰もがあるがままのことを正しく、ありのままに美しくみることができ、この真実を理解できますようにお祈りします。

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