子育ての目的は、適切な自己愛を育み、自尊心を持って自立して社会に貢献できる大人に成長させることです。
子供の反抗期は、2歳頃と5歳頃、思春期の頃があります。
2歳頃の反抗期は、イヤイヤ期とも呼ばれ、何でも自分でやりたくなる年頃です。
自我の芽生えで自立心が旺盛になり、何でも自分でやりたがるようになります。
できないと怒り始め、それを手伝ってあげようとすると、また怒り出し、またできないと破壊的になったりと、手のつけられない状態になることもあります。
言語発達が未熟なために、思っている通りにいかないことや、それを伝えられない自分に苛立ちを覚え、甘えられる存在、母親などに対して怒りをぶつけてきます。
癇癪という形でも表現します。
それも、子供にとっては会話ですので、受け入れて聞いてあげることが大切なのです。
5歳頃の反抗期は、親に対する完璧な理想像が崩れ始め、親も未熟で不完全なことに対する不信感などを抱き、自我もさらに芽生え自立が進み、言語も発達してきているので、思っていることを言い続け、親の未熟さをストレートに言葉にしてくるので、親も酷く傷つくこともあると思います。
そして、言うことを聞けず、暴言や暴力的な態度も増え、承認欲求も大きくなり、何でも知っている、何でもできると言う誇大感を持つ時期でもあります。
それでも、親も完璧ではないことを認め、子供の言い分を受け入れて、一人の人間として意見を尊重しながら、規範に従って生活できるよう逸脱しそうなときは注意し、逸脱したときにはその行動の何がいけないのかを教えることが必要です。
言って良いことと悪いことの分別をつけるのも、この時期が大切です。人が傷つくことを教えてあげなければ、自分が満たされない状況になった時に、親以外の人にも攻撃な態度で暴言や暴力行動になってしまう可能性もあります。
頭ごなしに、そんなことを言ってはダメと、子供の意見を押さえつけてしまうと、自分を認められずに自立心を妨げ、自尊心を満たすことができなくなり、将来大人になってから社会に対して承認欲求が強くなり、些細なことで認められていない自分観を持ち続け、自己否定してしまいます。
また、できないことを言われると、過剰に反応して、できないことを隠すように誇大化してしまい、できないことを認められない大人になってしまいます。
その結果、注意されると自分を否定されたかのように受け止め、受け入れられない自分自身に怒りを持ち、その怒りを相手が悪いと捉え、攻撃的な態度で暴言や暴力行為をする大人になってしまいます。
「褒める子育てが言われてきた時代があり、その子供たちが大人になり社会に出てきた結果、注意されるとすぐに逆ギレしたり、思い通りにならないと会社を休む人も多く、ほめることが自己肯定感を育むと言われてきたはずなのに、逆のことが起きてしまっている」と言う一説もあります。
褒めるばかりではなく等身大のままの子供を受け入れて、できることは褒めて、できないことも認めて伸ばしていき、人間にはできることとできないことがあり、それが良いや悪いの基準ではなく、人それぞれ違うのが当たり前で、みんなのできることとできないことを補い合い支え合うようにできていると言うことを教えながら、子どもそのものは、何ができてもできなくても素晴らしい存在であり、あなたがいてくれて嬉しい、ありがたい、感謝していると言うことを伝えていけると良いですよね。
さらに、思春期になると、第二次成長による身体と精神的発達が進み、子供から大人へのアンビバレンツな葛藤もあり、社会や人間関係に対する矛盾や、幼い頃の反抗期で満たされなかった思いが現れることもあります。
うるさく言えば言うほど反抗的になりますので、十分に話を聞き、何を言っても受け入れ、干渉しすぎず子供の行動を見守りながら、手助けが必要なときには支えていき、子供の自立を心配しすぎずに安心できる親の存在として待ってあげられると良いですよね。
子供に備わっている個性によって、反抗期の表現や対応は異なります。
親だって人間ですし、完璧なわけではありませんから、そんな子供に手を焼き、どうしたら良いのか困り果て、ついイライラして子供に怒ってしまったり、どうしたら良いのか分からずに途方に暮れ、親としての自信も喪失して落ち込んでしまうこともあります。
誰にでもあることですが、相談する人がいないと孤立してしまい、ますます自分を責めてしまい落ち込みます。
相談しても親なんだからしっかりしなさいと言われれば、またどうしたら良いのか分からず悩みます。
うちの子はおりこうさんよ、と同世代の子供のママ友に相談すれば、比較して自分がダメだからうちの子はこんなに言うこと聞かないのだと、また落ち込みます。
反抗期に何をしても言っても怒って言うことを聞かないのは、正常な発達過程です。
どれだけわがままを言っても暴れたとしても、それでも優しく受け入れてくれる母親の存在は、子供にとって絶対的な安心を得ることができ、子供自身が自分を受け入れていく自己愛を育むためには必要な時期なのです。
それと同時に、お母さん自身も、自分が幼い時に思い通りにしてもらえなかった不満を抱えていることもあります。子育てを通して、満たされたかった子供の頃の自分がどうされたかったのかを思い出し、子供にしてあげることで、自分の反抗期に十分に満たされなかったことを満たしていき、自己受容ができていくのです。
それがうまくいかないと、大人になって社会に出ても反抗期が続きます。
今の自分をいつまでも受け入れることができないために、小さなことや人の言葉に自己イメージを重ねて過剰に反応して、怒りや悲しみなどの感情に動揺し、人や社会に対して承認欲求を持ち、満たしてくれないことに怒りを持ち、反抗的な態度を取ってしまいます。
自分で自分を認められないことで、誰かに認めてもらうために誇大化し、傲慢な態度を取り、自分はすごいのだと見せかけ、自分に利用価値のある人には媚びて、利用価値のない人には徹底的に非難する人間性になる人もいます。
そう言う人が、社会で大人になってもいじめやパワハラ、SNSなどでの誹謗中傷をし続けるのです。
SNSの場合は、社会では良い人間を装って、優秀な人材として他者から認められようとする結果、ストレスが増大し、顔や素性が分からないネット上で、自己イメージをタレントなどに重ねて非難することもあります。
その結果、苦しむのはその人自身なのですが、それに気付かず、人や世界が悪く見え続けるのです。
そう言う大人にならないように、子供の時の反抗期を十分に受け入れてあげることが、適切な自己愛を育み将来的に自己受容でき、規範に従いながら人のために貢献できる自立した大人に成長するのです。
しかし、誰もが子育てをうまくできる親ばかりでもなければ、子供の個性が大きく影響しますし、反抗期を優しく受け入れてくれる存在がいるとも限りません。
子供の反抗期で自己受容のプロセスがうまくいかないと、小さな孤立した認められない自分観を持ち続け、いつまでも誰かに認められなくてはいけない自分という自己否定感を持ち続け、自尊心は低く、満たされない感覚を満たしてくれる人を探し続けるのです。
その時に、一番自分を受け入れてくれる最大の信頼できる存在は、自分自身なのです。
次回は大人の反抗期についてお話ししますね。
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