賢く優しい人を育てる子育て・人材育成
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物事の本質を理解するためには、具体的思考に加えて抽象的思考と論理的思考が必要になります。
これらを同時に使うことで、物事を全体から観て客観的に捉える視点になり、冷静さや的確な判断ができるようになります。
また、一度の失敗も恐れず、学びに変えて挑戦する精神力の強さも兼ね備えることができます。
人間関係でも、相手の立場を理解し共感できるので、穏やかな人間関係を保つことができます。
子供は9歳頃から、この抽象的思考が発達してきます。
子供が自分の興味を発掘できるような、自由な時間を持つことが大切です。
誰もがこれまでに経験してきたことを、一番最初にどのような状況でどう認識したかが、将来の物事の見え方捉え方に影響します。
それによって同じ色や形、言葉や音などの受け止め方が人それぞれ違っていきます。
それが具体的思考です。
具体的思考力は、物事を丁寧に正確に完成させる几帳面さや、情報収集や行動力などになりますが、具体的思考に偏ると融通がきかず譲れない頑固さになってしまうこともあります。
もちろん、それがうまくいく人間関係や職業もありますので、一概に悪いわけではありません。
肯定的な物の見方を教えられて育っていれば、人間関係も仕事もうまくいき幸せに生きられます。
しかし、組織や集団の中では、具体的思考だけに偏っている人同士が、社会的な問題に繋がることが多々あるので、抽象的に捉え物事を観る視座を上げて視野を広く持ち、それぞれの人の立場を理解して行動できると、人間関係も円滑になり、問題解決もスムーズになります。
生き物は動物も人間も、具体的思考によって物事を捉えて行動しており、具体的に現れている物事をつなぎ合わせて判断しています。
それを主観としていますが、具体的思考からは情報収集や行動実践していくために必要で誰しもあるものですが、これだけに偏っていると人によっては偏見が強くなり、こうでなければいけない観念も強く、見たこと聞いたことなど経験してきたこと以外は信じない、疑う、拒否という考えになる場合があります。そしてたくさんの混乱が起こります。
また、主観的な見え方によってこれまでの体験を重ねて感情的になりやすいのも、抽象的に物事を捉えることが難しい場合にありがちです。
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私たちは、具体的に現れた物事を、他の事象などと関連づけて推論し、結論を出します。それが論理的思考です。
演繹法・帰納法・三段論法などありますが、また別の機会にしますね。
この時に、情報の関連付けを多角的に行うことによって、一旦概念化して行きます。それが抽象的思考です。
その概念化した情報を、さらに抽象度を上げて概念化し、全体像として一つの本質として捉え、他の事象にも当てはめて考え、他にも使うなどの応用をきかせます。
言葉の応用も同じです。
それを習慣づけていくことで、判断力や対応力がついていきます。
その判断が間違っていないかを検証するために、何故・どうして、どうやるの?という疑問が湧いた時には調べて情報量を増やして、より正確に判断をし行動をしていくことが大切です。
単純に抽象的思考が強いと、具体的思考の人には何も伝わりません。
筋道立てて物事を考え、本質側から物事を観て判断し具体的に挙げて言葉や行動にすることで、他者への説得力も高くなります。
この言葉や物や現象は、概念化した情報の中からこれにも当てはめられると言う考えで応用をしていくことで、物事の受け止め方も柔軟になり対応力もついていきます。それが想像力です。
人の気持ちがわからない、空気が読めない、苛々や怒りが多く感情的になりやすい、重箱の隅をつつく揚げ足を取り続ける、冷静に建設的な会話ができない、文脈が読めない、言葉が置き換わったり順序が変わると混乱する、こうでなくてはいけないという固定観念が強くなりすぎて譲れないなどは、具体的思考が強すぎて想像力が働かない場合に起ります。
発達障害がある場合は、脳の機能的な障害によって抽象的思考が難しく、生きづらさを抱えてしまう場合もありますので、その場合は周りの理解が必要です。
喜びや優しさの経験や、人の感情などを多く記憶しデータ化していくことで、対応力がついていきます。
脳科学者の中野信子先生の著書もご参考にされると良いかと思います。
ご自身も自閉症スペクトラムで生きづらさを抱えながら、脳科学を研究し続け、幸せに生きられることを証明しています。
具体的な情報をインプットして、それをそのままアウトプットすることももちろん大切なことですが、今後はその作業だけですとAIが担ってくれますので、人間にだけ備わっている抽象的思考を同時に使うことで、人間に与えられた人間らしさ、相手の立場に立って物事を考える、いわゆる優しさや思いやりをベースに行動をとることができる様になります。この抽象的思考のことを知性と言い、人間にだけ与えられた機能になります。
動物や昆虫、魚類などは具体的思考だけで生命活動をしています。
その知性を養うことが、物事の本質を見極める力になっていきます。
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本質が理解できれば、主観的な情報を一旦概念化し客観的に物事を観る、その繰り返しで視座が上がり俯瞰視することによって公平さや平等さ、穏やかさや共感性が生まれます。
自分の感情も客観的に観察することができるので、感情的にならずに穏やかで柔軟性があり、本質に向けた建設的な会話ができます。
それができないと、主観的な判断だけで怒りや悲しみなど、感情的に行動してしまうことがあります。
決して悪いことではありませんし、それでうまく物事が運び、人間関係も円滑にいけば問題ありません。
しかし、主観的な物事の捉え方によって、人を攻撃したり思い込みで苦しくなってしまうと生きづらくなる可能性があります。
具体的思考だけだと、自分の知っている物事だけが正しいと思いがちです。
抽象的思考によって客観的に物事を見ることができれば、自分の知らないことが世の中の大半だということを理解し、人それぞれ考え方も捉え方も違うのだという理解によって、穏やかに平静に物事を観ることができ、今必要な行動を取ることができるようになります。
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俯瞰できるとメタ認知力という、自分も他人も同じ様に客観視できるようになるので、相手の感情も自分自身の感情も一歩離れたところから見守ることができ、自分の感情のコントロールができます。
具体と抽象を同時に使う訓練を繰り返し、視座を上げていくことによって物事の本質を理解し、皆それぞれであることを理解し、自分のできることとできないことを見極めて、できることを提供して、できないことを助けてもらい、人間関係をうまく築いていきたいものですよね。
具体的な情報とその結果が、なぜそうなっているのかの背景を常に考える癖をつけていくと、物事の客観性が生まれていきます。
それには、日頃から良い悪いを抜きにして、対極的に物事を見る習慣をつけることや、何か不安や心配事があればすぐに調べること、自分にはこう思えるけど他の人はどう思うのだろうと考えて、たくさんの人の意見を聞く様にするなどをやってみて下さい。
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子供であれば、幼少期は絵本の読み聞かせや、たくさんの言葉や物などを集めてカテゴリー分けしていく遊びをすると良いですね。そこで生命の成り立ちや流通背景なども教えられると良いですよね。
小学校に入ったら、想像力を必要とする本を読むことや、好奇心を大切にして、それが何に向かっているのかを考えさせてあげる様な問いかけをしていくことも良いですね。
また、気になることなどを100個くらい付箋に書き出してみて、それをカテゴリー分けしていき、最終的に3つくらいにまとめて優先順位をつけて見ると、問題や目標が明確化していきます。これがKJ法です。
その問題を解決するためには、どこに向かうべきかを抽象化された本質側から考えて、どうするべきかを分析して情報収集して具体策を考え、実際に5W1H(2H)で表してみるとわかりやすく行動に移すことができます。
最初はそれを続けて、慣れてくれば頭の中で自動的にできる様になり、判断も早くなっていきます。
そうは言っても、得手不得手や未知の分野など、人それぞれありますし、情報を得ていない物事に関しては、判断はできないこともたくさんあります。
人間は不完全な生き物ですから、人の不足があれば補ってあげられる人間性を常に持っていたいものですね。
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参考文献:
1)「具体と抽象 世界が変わって見える知性のしくみ」著者: 細谷 功 発売日: 2014年12月01日 出版社: dZERO(インプレス)
2)「不毛な会議”もこれで解消!『具体と抽象』の思考術」 https://www.nomura.co.jp/el_borde/method/0084/
3)ヴェーダーンタ文献各種(ウパニシャッド、バガヴァッドギーター)
4)BHAGAVADGITA HOME-STUDY-COURSEバガヴァッドギーター第1章〜第18章 著者 スワミ ダヤーナンダ 訳 スワミ チェータナーナンダ