生まれてから幼少期までの子育ては、親子の愛着を形成し、その子が大人になってからの人間性に大きく影響します。
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以前開催したメンタルヘルスケア・ストレスマネジメント講座でまとめた心理学のスライドを一部挙げますね。(✳︎転写・複製禁止)
スライド1枚目でご覧いただけるように、人間の成長発達段階に応じた獲得課題があります。
生まれてから新生児期には、親の目を見つめる時期があります。
このときに、親が目線を逸らさずに見つめ合うことが、母親にも子供にも大切になります。
また、見て見て期には親の視線が自分に向けられていることで、安心感の中で遊びができます。
初めてできたことや、自分で作ったものを親に見せて、すごいね!と称賛を求める時期に、たくさん褒めて認めてあげることが大切です。
子供の時に十分に称賛されないと、承認欲求が満たされずに大人になってからも自分を認めることができず、他人に承認を求めるために人を見下したり罵ったり、怒りで制圧しようとしたりする人間性になることもあります。
子供が求めることに応じてあげることが大切です。
よく、抱っこしすぎると抱き癖がつくというお母さんがいますが、抱っこさせてくれる時期はほんのわずかです。
抱っこで安心して育てば、そのうち抱っこしたくて腕の中に抱きしめても、腕を振り払って外に好奇心を持って自立していく時期がきます。
赤ちゃんの時の抱っこが安心して満たされなければ、いつまでも抱っこを求めるかもしれません。
ですので、たくさん抱っこしてあげて下さい。
肌が触れ合うことで、お母さんも子供も安心しリラックスできる幸せホルモンが分泌されます。
そして、甘やかしたら大きくなって依存的になるのではないかと思うお母さんもいます。
それも、過剰に手助けをして、転んだ時に子供が自分の手で立ち上がるのを待てずに、すぐに手を出して起こしたり、できることを自分でやらせず、親が待てずに先にしてしまうことなど、その子が持っているできる能力を伸ばさずにいると、子供は自分がしなくても親がやってくれると思うので、自分でやらなくなることがあります。
そのような日常的なことの積み重ねで、できることもやってもらえると思わせてしまい、好奇心や自立心を遮ってしまいます。
親が子供の欲求に十分に応えてあげられる余裕があると良いですよね。
また、自分で物事を判断したり決断する機会を与えず、親が決めてきたことを子供にやらせてばかりでは、大人になってからの決断力に欠ける可能性もあります。
親が愛溢れる安心と満足の中にいれば、自然と子供へ目を向ける行動が取れるものです。
目の前にいる子供のために、人生のほんの少しの時間をたくさんの愛で包み込めると良いですよね。
親子間の愛着が十分に形成され、愛情いっぱいに育てば、人からも愛されて支えられながら将来過ごすことができます。
子供は親が幸せでいて欲しいと思って、親の言うことを聞きます。
将来にわたって、親の幸せのために就職や結婚をする人もいます。
自分の幸せのために生きて、自分の幸せが人・社会への貢献になることを理解しながら生きられると良いですよね。
その中で、人生にはたくさんの出来事があり、知らないことには恐れや不安がつきものですので、様々な苦労や失敗もあることと思います。
でも、それは乗り越えたら簡単なことに思える出来事だったり、失敗した後に成功があることに気付ける、二極化の体験にも動じない強さを養うために必要なことになります。
この世界は、知っていることと知らないことがあって、自分にできることとできないことがあり、人ぞれぞれ持っている才能や知恵が違い、補い合い支え合い助け合いながら生きていることを理解できると、自ずとやるべきことに進むことができます。
私たち人間は、誰もが満足で幸せな存在です。
でもそれに気づかなくさせているのは、歪んだものの見え方です。
その歪みは、育ってくる中での親子関係が大きく影響しています。
心理学では、その時期に対応して獲得できる人間性があります。
ですので、十分な愛を持って育てることが、将来の人間性を決定づける因子になります。
もちろん、逆境に強く、複雑な家庭環境などで育った人の中にも、素晴らしい人間性を持つ人はたくさんいます。
それは、優しさや愛を知っているから人にもそれができるのです。
しかし、親から十分な愛を受けずに、成長発達段階に応じた欲求が満たされなかった場合は、不満感や不安、不信感となり、自分で自分を認められずに自己否定や劣等感などで、周りの人や世界への見え方が歪んでしまい、自分や人を責めたり傷つけるような人間性になってしまう可能性があります。
優しさを自然と理解できる人間性が持てるように育てたいものですよね。
先日、放火犯が入院中に「担当看護師に初めて人に優しくされた」という言動を見ました。
人から優しくされた経験が少ないと、世の中が悪く見えてしまい、犯罪を犯してしまう人もいます。
優しさに触れることで、歪んだものの見え方が解けて心が穏やかになり、人にも優しくしようと思えたら良いなと思います。
物事の見え方、捉え方の歪みは、こうして育ってきた中で作られた思考によって、大人になってからも物事の見え方・捉え方に影響しています。
9歳からは、抽象的思考と論理的思考が理解できるようになってきますので、この思考を伸ばしていくことが、優しく賢い人間性を養っていくことにつながります。
そのためには、子供の好奇心の目を摘まず、なぜそうなるのかどうしてそうなのかを一緒に考え、物事をカテゴリー分けし概念化して目的や本質に向けた物事の考え方を養うことが大切です。
そうすることで、客観的なものの見え方ができ、それぞれの人の抱える気持ちに共感的に寄り添うことができるようになります。
私たち人間は、人に優しく、助け合いながら生きていけば、安心や満足、喜びが伴います。
小さい頃から純粋に育てば、人と比べることも少なく、嫉妬や競争心で何かをするというよりも、自分のやりたいこととやるべきことを自然と選び、人間の本質を理解することができる知性を使った生き方ができるものです。
しかし、そう生きていたとしても、限りのある幸せや喜びや満足ばかりで、移り変わっては消え去っていくものばかりで、幸せとは一体何だろうと思う時がきます。
その時に、人が最後に追い求める人生のゴールである、自分こそが限りのない幸せな存在であるという答えを理解し、自分が自分に落ち着く生き方を求め始めます。
それを学ぶことができるのが、ヴェーダーンタというものです。
宗教やスピリチュアルや科学では、その答えは知り得ることができません。
マザー・テレサが、晩年暗闇がどんどん大きくなって苦しみを抱えていたことは、牧師さんに宛てられた手紙の数々から明らかにされています。
人を助け続け、神の言葉を話し続け、自分の欲もなく生きてきた人が、最後にそれだけ苦しむのは、その暗闇が何かを教えてもらっていないからでしょうね。
宗教もスピリチュアルも、最後の答えが明確には教えられていません。
しかし、このヴェーダーンタというのは、何千年をも超えて、同じ教えが今でもそのまま残されている文化がインドにあります。
真実というものは、姿形を変えるものではなく、普遍的なものですので、時代を超えても変わらないのです。
でも、それを理解するためには、自分の幸せと人の幸せ、生き物全ての幸せを祈れる心や、自分の持っている能力や財産など、与えられるものを与える必要があるところ、適材適所に与えられる人として、社会に貢献している生き方が必要です。
そうして生きていれば、変わらぬ満足と安心の中で幸せに生きることができるのです。
歪んだ物事の見え方は、親子の愛着形成がうまくいかなかったことも影響しています。
こういう話をしていても、怒りと苛立ちで攻撃的になる人もいます。
苦しいのはその人自身です。
そして、常に今も自分と同じ場所に共にある自分自身を否定し続けて、幸せになることは難しいんだ、そんなに簡単じゃないと怒りを持つのであれば、自分のものの見え方・捉え方の歪みに気づくまで、探し続けるのです。
自分のした行いと、その行いの結果は自分に返ってきます。
物事や人への不調和をしてきた人は、人生も不調和になります。
それを調和な生き方に変えていけば、人生も調和になります。
もし、これまでの人生で人を傷つけてきたとしたら、心から反省して、報われることへの祈りと人に与える生き方をしていけば、人生は変わります。
1人ではわからなければ、調和で幸せに生きている人から学ぶことです。
人が人らしくあるために、愛とは何か、自分を愛し人を愛すること、子育てや命の大切さや、人としてどうするべきなのかを、生まれる前から生まれた後も教えてくれる役割が助産師です。
妊娠中から継続的に関わり合い、産後も赤ちゃんとの関わり方を教えてもらいながら、安心して子育てができ、豊かな人間性を育むことが大切です。
助産院プラサーダでは、産後ケア事業を宿泊型で行なっております。ぜひご利用ください。
大人になってからでも、自分の感情気分で自分を苦しめているものに気付いていけば、十分優しい人間性が現れてきます。
元々、皆純粋で幸せなのは同じですし、変わらない真実です。
今のストレスになっていることから自由になり、メンタルヘルスケアを自分自身で日常的に行えるようになれば、いつでも喜びと幸せに目を向けて生きることができます。