私たちの心のあり方を形成する原点は、赤ちゃんの頃にあります。
お母さんの無条件の愛が、子供にとって健やかに自分を愛することや尊ぶことを学ばせてくれます。
もちろん、お母さんのお腹の中にいる胎児期も大切な時期ですが、声を聞くことができる以外はお母さんとのコミュニケーションが難しいですよね。
生まれた後は、肌と肌が暮れあい、見つめ合うことができ、お母さんの匂いを嗅ぐことができて母乳を味わうことができるようになります。
生まれてからの抱っこは、お母さんも赤ちゃんも愛を育むことができる最高の方法なのです。
もちろん、NICUに長期入室して母子分離になることもあり、十分なスキンシップが取れない場合もありますが、ここでは一般的に正常に経過した母子関係の話題として記しますね。
母と子の絆を深めて、子供の自己愛を育み自尊心を持って自立した一人の人間として育てるためには、生まれてすぐからのスキンシップがとても大切になります。
しかし、お母さんもどうやって初めての赤ちゃんを育てるのかわからないまま、毎日毎瞬がわからないことだらけで一生懸命頑張っていますよね。
一晩中泣き続ける子供に、寝る暇もなく、やっと寝たと思ったらすぐに起こされる毎日。
5分もたたないうちにまた泣くし、お布団に戻せばまた泣く。
ギャン泣きされてヘトヘト。
母乳もイヤイヤ、のけぞって叩かれる連続で、赤ちゃんに嫌われているのではないかと自信喪失の連続。
そうして疲れ果てたお母さんの緊張が、首や方に力が入って肩こりや必要以上に疲労感が残るのは、お母さんがリラックスの仕方がわからないからなのです。
同じように、赤ちゃんも首や方に緊張が入って、不快感でのけぞってしまうのです。
その緊張がうまく母乳を飲めず、リラックスできないことでイヤイヤの連続になっているかもしれません。
お母さんがリラックスして首や肩の緊張を緩めて、赤ちゃんを腕の中で抱っこしながら、赤ちゃんの体をお母さんの体に沿わせるように背中を丸くしてあげて、同じように赤ちゃんの首や肩や背中の緊張をほぐしてあげるように、優しく優しく撫でてあげることが大事なのです。
緊張でギャン泣きしていた赤ちゃんも、これを続けていくことでリラックスして安心して眠るようになります。
お母さんも、その赤ちゃんの安らかな寝顔を見て愛おしさが溢れることが、リラックスと疲労回復にもつながるのです。
出産時には、オキシトシンというホルモンの分泌が増加して陣痛が起こり分娩に至ります。その後も、オキシトシンの分泌増加に伴い、プロラクチンという母乳を分泌させるホルモンが働いて乳汁分泌が促進され、母乳が出る仕組みになっています。その刺激によって、大きく伸びた子宮は元の大きさに戻っていきます。
母乳の分泌が赤ちゃんにとって十分に安定して出てくるまでには、早くても3日くらいかかりますし、大抵の場合は1〜2週間かかります。また、赤ちゃんの成長に合わせて、その時期に必要な栄養素も変化していきますし、分泌量も変化していきますので、3ヶ月、半年と成長する途中で、よく泣くようになり授乳回数が増える時期もあります。
そして、オキシトシンは愛情ホルモンとも呼ばれ、幸福感をもたらしてくれます。さらには、ストレス耐性も強くなり産後うつの発症率も低下すると言われています。
それだけではなく、様々なホルモンが関わり合いながら、赤ちゃんの授乳サイクルに合わせて、短い睡眠でもすぐに目覚められるようになり、疲労回復もできるように体は変化しています。
こうしてみると、たくさんのメリットがありますよね。
だからと言って、お母さん一人では不安なことばかり。支えてくれ手伝ってくれる家族が必要です。
そして、完璧な仕組みで生理機能機能が働いてくれる人間の体は、私たち人間だけではコントロールできないものです。
その働きがうまく機能するためには、きちんとした姿勢で抱っこや授乳などの方法を知る必要があります。
それには、食生活がとても大切になります。甘いものや油物は控え、できる限り野菜中心でタンパク質も良質な豆類から摂取して、乳腺炎の予防をしていくことも必要です。
そのためには、母乳育児に熟練した専門家が必要です。
ただ、様々な事情で母乳をあげられないお母さんもたくさんいらっしゃいます。
ミルクをあげる場合でも同じように腕の中に抱いて、背中がリラックスするように優しく撫でてあげて、見つめ合い声を掛けてあげることで、β-エンドルフィンやオキシトシンが分泌され、愛情や幸福感が得られます。
そうして母と子の絆を深めていき、無条件の愛で子供を信頼して尊重しながら成長を見守っていくことができます。
その幸福感のまま、子供が成長してたくさんのことができるようになり、見て見て期も、新しいことができた時に自慢する時も、ヒーロー・ヒロインになりたがる時も、お母さんにとって1番の主役になれる時期を一緒に喜び褒めて認めてあげることが、自分で自分を認めていくことができるようになります。
しかし、誰もがこうして安心して愛情たっぷりに育つわけではありません。お母さんの中には子供を愛せないという人も少なからずいます。
子供を愛せないというお母さんでも、早い時期から赤ちゃんの抱っことスキンシップによって、お互いが緊張を緩めることができ、どうやって接するのかを教わりながら育児ができれば、お互いの愛情は芽生えてきます。
そして、お母さん自身も自分を愛することができるようになるのです。
こうして無条件の愛が子供の自己愛を健全に育み、自尊心を養うことにつながっていきます。
反対に、これができたらああしてあげる、あれができたら褒めるといった条件付きの愛や、批判や否定、怒鳴りつけたり暴力によって育てると、不安や緊張で萎縮して自分への自信を持てなくなったり、誰かとの競争や勝ち負けばかりで、人を傷つけたり批判したりすることで自分をアピールするようになったり、自分を認められなくなり否定してしまい、社会に出ても自尊心の低さや劣等感を持ち続け、生きづらさを感じてしまう可能性もあります。
絶対的な答えはありませんが、できる限り無条件の愛で子育てしていきたいものですよね。
いつでもお母さんがリラックスできるように、宿泊型産後ケア事業を行っています。
育児相談、母乳相談、子育てコーチング、その他保健指導も行なっています。
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