KAMALA YOGA BLOG

⚪パンチャマハーヤッグニャの背景

生徒のまとめたパンチャマハーヤッグニャ

目次

●パンチャマハーヤッグニャの背景

  □パンチャマハーヤッグニャとは

  □パンチャマハーヤッグニャの目的

  □パンチャマハーヤッグニャに必要な態度

    ・恩恵の受け取り手から役割を逆転していかねばならない

    ・与えられたもの全てを受け入れる

  □パンチャマハーヤッグニャからもたらされるもの

    ・成熟度の最初の段階

    ・モークシャを求める段階

■デーヴァヤッグニャ

    ・神と個人の間の循環を理解する

    ・自然の力にデーヴァターを見る

    ・科学技術の進歩にデーヴァターのはたらきを見る

    ・社会貢献もデーヴァヤッグニャ

■リシヤッグニャ

    ・聖者と先生に感謝を表すヤッグニャ

■ピットゥルヤッグニャ

    ・先祖と両親に感謝を表すヤッグニャ

■マヌッシャヤッグニャ

    ・奉仕によって社会を支える

    ・分業化が進む社会で他者の貢献を思う

■ブータヤッグニャ

○まとめ

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○パンチャマハーヤッグニャの背景

 □パンチャマハーヤッグニャとは

  パンチャマハーヤッグニャとは、神に感謝の気持ちを表し、全ての創造物に貢献することです。

  下記5つがあります。

  • デーヴァヤッグニャ
  • リシヤッグニャ
  • ピットゥルヤッグニャ
  • マヌッシャヤッグニャ
  • ブータヤッグニャ

  この5つ全てを通して、私たちは世界の繁栄に貢献することができると言われています。

□パンチャマハーヤッグニャの目的

モークシャを得るための唯一の方法は知識を得ることですが、その知識を理解するためには、綺麗な考えになっている必要があります。綺麗な考え、アンタッカラナシュッディを得るために、小さな自分を満たすために何かを得ようとするカーミヤ カルマから、自ら与えようとする カルマ ヨーガ に切り替えていきましょう。

カルマヨーガを構成する要素は2つで、1つは与えること、貢献です。もう1つは与えられたものを好き・嫌いで選択するのではなく、全てをイーシュワラプラサーダとして受け入れること。ネガティブなことは改善策を考えて対処することでカルマとなります。

カルマヨーガの実践の場は、今、私たちが生きている社会です。まずはヴァルナアーシュラマでの役割を果たすことで社会を支えましょう。ヴァルナとはヴェーダの文化にある社会的役割です。日本社会でも同様の役割を見ることができますので、4つのヴァルナを参考に、好き嫌いで仕事を選ぶのではなく、今与えられている場所での役割を果たすよう努めましょう。

(参考)4つのヴァルナ(カルマ・ヴィバーガ)

ブラーンマナ:ヴェーダの教えを守り司祭を務める聖職者、さまざまな教育に携わる教職、社会全体への教育

クシャットリヤ:ダルマを守る行政、司法、法整備、防衛などや公務員として国を治める

ヴァイシャ:商業や金融、農業、運搬、産業などビジネスをすることで経済を回す

シュードラ:上記3つに手足や耳として仕えサービスを提供する

ヴァルナは階級や上下関係ではなく、社会を支えるための役割であり、各々の義務を果たすことがダルマです。互いに尊敬と感謝をしながら役割を果たし、社会貢献をすることがカルマヨーガとなります。

それぞれのヴァルナアーシュラマで専門性を発揮し社会貢献し、富を得たら今度はそれを世界を支える5つのインフラに感謝として捧げます。これがパンチャマハーヤッグニャです。デーヴァター、リシ(先生)、ピットゥル(両親やご先祖様)、マヌッシャ(社会を支える仲間)、ブータ(人間以外の動植物全て)の5つで、どれが欠けても私たちに影響するため、決して壊してはなりません。第一に傷つけないために、次に積極的に守るために、出来ればそれらのインフラを改善するために貢献をしていきましょう。そうすることが、自分自身の生存のためです。

□パンチャマハーヤッグニャに必要な態度

恩恵の受け取り手から役割を逆転していかねばならない

私たちは世界から多くの恩恵と要因のおかげで今この地球上に生存しています。全ての瞬間が恩恵です。例えば太陽が昇りその陽の光を浴びることで、人間の身体はさまざまなホルモンが分泌され自立神経が整い、健康に生きることができます。また大地から栄養をもらい陽の光を浴びて育った植物を食べて、身体に必要な栄養を吸収して成長します。この他にも世界から素晴らしい多大なる恩恵を既にたくさん受けています。 恩恵を受けているのですから、そこにお返しをしなければいけません。世界は恩人であり、私は恩恵の受け取り手という相互関係があることをまずは理解しましょう。 そして大事なことは、恩恵の受け取り手である私という、その見方を逆にしなければならないということです。世界があるべき姿は、世界が恩恵を受けるべきものであって、私が恩人であるべきだと言っています。私が恩人(Give)になるとき、世界は受け取り手(take)になります。カルマ・ヨーガとはあなたが与えることで恩人になりなさいということを言っており、単に恩恵を受け取るだけになってはいけないということを教えてくれています。あなたが恩人になることで、世界を助け支えましょう。

与えられたもの全てを受け入れる

全ての経験を自分自身のものとして受け入れましょう。カルマの結果として神からあなたに贈られてきたものであり、もしあながたこれは嫌だ、これは避けたいというような態度になっていれば、それは神に対して失礼にあたり、与えられたものをきちんと受け取ることが大切です。 自分がした行いの結果として贈られてくるのですから、良い事も悪いことも全てイーシュヴァラプラサーダとして受け取りましょう。そしてもしネガティブな状況にある場合は、きちんとそこに改善策を生み出すのもカルマとなります。例えその経験が不運なことに見えたとしても、解決策を考える中であなたの考える力や乗り越える力が養われ、それも全てプラサーダとして受け取り、あなたの心を広げ成長に繋がるでしょう。そこに失敗も成功もありません。

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ラマナマハリシの小さな聖典 ウパデーシャサーラ 5番目の詩より引用

 jagata īśadhī yukta sevanaṃaśṭamūrti bhṛd deva pūjanam. upadeśasāra 5

世界をイーシュヴァラとして8つの姿で現れた神、空間、風、火、水、土という5大要素と太陽と月とアハンカーラ(私観念・ego)に祈り、その世界に奉仕します。私が世界に奉仕するとき、私の態度は世界に奉仕しているのではなく、私は全世界をイーシュヴァラが現れた姿として見ています。その奉仕がカルマヨーガとなります。カルマヨーガをする人が奉仕者であり、貢献者であり、恩人であることを意味します。

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□パンチャマハーヤッグニャからもたらされるもの

・成熟度の最初の段階

人は、非常に誠実なスピリチュアルの探求者になったときにのみ、知ることができます。それまでは、ヴェーダもその価値を説明することはできません。

最初の段階では、パンチャマハーヤッグニャについて大まかに語られ、本当のメリットは語られません。なぜなら、探求者でない一般の人に話してもそのメリットは知られないからです。

最初のメリットは、良くない行いによってもたらされるパーパから逃れること。もし実行しなければ、特別なパーパがあり、そのためにあなたは特別なナラカ(地獄)に行くことになります。ですから、実行すべきです。もし、シュラッダーを持たなければそのパーパを得ることになり、多くの人が恐怖心からの行いをしてしまいます。本来のメリットとは異なるにもかかわらず、このような表現が使われています。

人が少し成長すると、もしあなたがそれらを行えばたくさんのプンニャを得ることができ、その結果、あなたは天国に行くことができると教えます。

そして、長い年月を経て、人の欲望は次第に洗練され、カーマ プラダーナ・願望、欲求を満たすために儀式をして与える人から、アルタ プラダーナ・喜びを満たすために与える人、そしてダルマプラダーナ・ダルマの為に貢献する人になっていきます。その人は、この世やあの世で叶う願望よりも、今ここで叶うモークシャの欲望に至ります。

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タットヴァボーダ 4番目の詩より引用 

nityānityavastuvivekaḥ kaḥ? nityavastuvekaṃ brahma tadvyatiriktaṃ sarvamanityam || 4 ||

永遠のものと、時間に束縛され移り変わるもののヴィヴェーカ・識別とは、どう言うことですか?

永遠で限りのないものは唯一ブランマンであり、それ以外のものは全て時間に束縛され限りのあるものです。これこそが、永遠のものと時間に束縛されるもののヴィヴェーカ・識別です。

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・モークシャを求める段階

mokṣa・モークシャ・自由、解放 には、śāstra・シャーストラ・聖典の学習、理解、同化が必要です。mokṣa・モークシャへの欲求は jñānam・ニャーナ・知識への欲求に変換されるでしょう。

「モークシャが欲しい!解放されたい!」から、「この知識が楽しい!もっと知りたい!」と勉強していることが喜びに変わっていきます。

jñānena eva moka、私は聖典を勉強してmokaを得ました。それによって私はBrahmanと同じであり続けます。Brahmanと同じように変化しないよう、生徒もまたすでにBrahmanだったのだと気づいたのですから全く変化を受けません。当然、私は「何が足りないのだろう」と不思議に思います。

この知識は、考えがpakvamの状態 = 要求のない心の準備があるときのみ、先生の言葉が役に立ち、完全な利益を得ることができます。pakvamとは肥えた土という意味で、種を蒔いても、その土地が肥えてなければ恩恵は得られないのと同様に、もし生徒の脳、考えが粘土質であれば、知識は利益を与えません。

ですから、 sādhana catuṣṭaya sampatti、4つの資質を備えもつことが必要です。人間が成長し土壌が肥えた時に、4つの資質がいかに重要かを生徒は知ることになります。

例えばTOEFLの試験について、旅行や仕事で使う必要がなければ全く興味を持ちませんが、留学や海外赴任が決まると突然興味を持ち勉強して知識を得ます。

mokaも同じで、必要とした時に勉強をします。必要ないとmokaの入口はなく、mokaを必要とした時に、人生はpañca mahā yajña pradhāna この五つの偉大な儀式を捧げることになります。

だから私は貢献する機会を探しています。そして貢献の方法がどのようなものかここに示されています。

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毎週日曜日8時のヴェーダーンタクラスで学習したパンチャマハーヤッグニャについて、かおり先生の解説を生徒が聞き、復習しながら生徒同士でまとめを作成しました。そのためまとめの内容は全て、パラマールタナンダジによるブルハダランニャカウパニシャッド解説とその他の聖典、かおり先生による日本語での解説を元にしていることをここに明記します。

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引用文献

Brhadaranyaka Upanisad by Swami Paramarthananda

Brhadaranyaka Upanisad by Swami Paramarthananda(上記から聖典にアクセスできます)

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